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VOL. 05

修理メンテ

冬本番前に絶対やるべき車のメンテナンス 5選

2021年も残すところ1ヶ月あまり、北海道でも初雪を観測しました。冬期間は、気温低下や降雪、路面凍結などによって、クルマの各部でトラブルが発生しやすくなります。これから迎える寒い季節の前にやっておくべきクルマのメンテナンスについて、解説したいと思います。

バッテリーが弱いなと感じたら点検交換を

クルマに関するトラブルで、1年を通して最も多いのがバッテリーに関するトラブル。冬期間は、特に始動不良が起こりやすくなります。

バッテリーは、温度が下がると内部抵抗が増え、出力電圧と容量が低下します。バッテリー電圧が下がると、クランキング回転数が低下したり、最悪の場合はクランキングできなくなってしまいます。クランキング回転が低下すると、ピストン圧縮時に圧縮漏れや熱損失が増大するため、混合気の温度が上がらず着火しずらくなります。クランキング回転は常温で100rpm(回転/分)を超えますが、-20℃以下の極低温時にはバッテリー電圧は半分以下に低下し、クランキング回転も50rpmを下回ることもあるのです。

そのため劣化バッテリーで冬を迎えると、始動できずに立ち往生するリスクが高まります。バッテリーの寿命は3~5年ですが、スキーなどのウィンタースポーツやアウトドアなどへ行く予定のある人は、バッテリーの使用期限や、液量といった状態をチェックしましょう。また、安心のために、容量の大きなバッテリーに交換するのもいいかもしれません。

冬期間は、低粘度オイルへ交換も

バッテリーとともに冬季に大きな影響を受けるのが、エンジンオイルです。劣化の少ない適量のオイルが保持されていることは当然ですが、冬季に留意しなければいけないのは、オイルの流動性(粘度)です。オイルの粘度は、温度に大きく依存し、低温時には粘度が上昇して「ネバネバ」に、高温時には粘度が低下して「サラサラ」状態になります。

低温時に始動性が悪化するのは、前述したバッテリー電圧が下がることと、エンジンオイルの粘度が上がることが深く関わっています。粘度が上がると、エンジン摺動部のフリクションが増大し、クランキング回転が低下して、始動ずらくなるのです。

一般的なオイルは、気温-20℃程度まで始動可能です。オイルは、クルマの種類や用途などに対応した様々なグレードが用意され、その指標としてSAE(米国自動車技術者協会)が規定した表記で「5W-30」が使われます。「5」は低温時の粘度指数を示し、数字が小さいほど粘度が低いサラサラのオイル。一方の「30」は高温時の粘度指数で、数字が大きいほどネバネバのオイルで、高温時の油膜保持性を表しています。

極低温でクルマを使用する想定なら、より低粘度グレードの「0W-」や「5W-」のオイルに交換するのが安心ですね。

クーラントのLLC濃度を上げれば、-20度以下でも凍結しない

運転中に高温になるエンジンを冷却するクーラント(冷却水)は、エンジンがオーバーヒートしないように適正な量を維持しなければいけません。いっぽう、もしも冬季に冷却水が凍ってしまうと、膨張してラジエターや配管系が破損する恐れがあります。

そのため、クーラントは凍結しないよう、水にエチレングリコールを主成分とするLLC(ロングライフクーラント)を30~50%程度混入して使います。凍結温度の目安は、LLC濃度30%で-16度、40%で-24度、50%で-35度。一般的な市販車の濃度は30%なので、-20度近くまでは凍結することはありません。

そのため、クーラントが減ったからといって、水で補給(薄める)のは、凍結しやすくなるのでNG。極低温でクルマを使用するなら、LLC濃度の高いクーラントに入れ替えましょう。

雪用ワイパーと高濃度のウォッシャー液で冬季の視界を確保

ワイパーブレードは、ゴムなので紫外線や温度変化などで劣化します。劣化が進んで、拭き残しや拭きムラ、ビビリ音が発生したときが、ワイパーブレードの交換時期です。

寒い日や降雪時には、フロントガラスが凍結して、ワイパーがガラスに凍りついて作動しなかったり、ウォッシャー液が凍結して噴射できないということが起こります。

このようなトラブルを想定して、低温でも硬化しにくいゴムや樹脂で覆われている雪用ワイパーに交換しましょう。また、ウォッシャー液の主成分であるエタノールの濃度を高めれば、凍結温度を低下させることができます。一般的なはっ水や油膜防止ウォッシャー液の凍結温度は-20度程度ですが、温度がそれ以下になる場合はエタノール濃度の高い凍結防止用ウォッシャー液を使いましょう。-50度程度まで凍結しないので、安心です。

スタッドレスタイヤも寿命あり、摩耗状況を必ずチェック

タイヤの摩耗が進むと、路面との摩擦力が低下して制動力の低下やスリップを引き起こします。日常点検項目の中でも、タイヤの摩耗状況や空気圧のチェックは、重要な確認項目です。

スタッドレスタイヤは走行距離と経年で摩耗劣化するので、通常は3年程度の定期交換が必要です。劣化によってゴムの柔軟性が消失、また摩耗によってサイプの溝が減ったり、溝の深さが50%以上摩耗するとスタッドレスタイヤの性能は大きく低下します。摩耗具合を示す指標として、スタッドレスタイヤにはプラットフォームと呼ばれる使用限度を示すサインが設けられています。プラットフォームが露出してきたら、交換しなければいけません。

スタッドレスタイヤだから大丈夫ということではなく、凍結路面ではまず慎重に安全運転することが第一です。また、事故のリスクを減らすためには、サインが出る前でも摩耗が進行していると感じたら、早めに交換するのが望ましいですね。

まとめ

新型コロナが落ち着いている今年の冬は、クルマで出掛けることが多くなるかもしれません。安全で快適な冬道を楽しむために、本格的な冬が訪れる前に、是非ともこの5項目のチェックと事前に準備をしましょう。

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