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中古車の高騰いつまで続くのか?中古車価格変動率+28%強で80万円も値上がりに!

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※2023年、中古車相場の高騰は終わりました。

なんと、中古車価格変動率で+28%強・変動価格差+80万円(2022年8月現在)をたたき出したのはトヨタ カローラクロスである。この車種は2021年の9月にデビューしたばかりだが半導体不足やサプライチェーンの分断もしくは崩壊により現在は受注中止(2022年8月現在)となっている。この他にも多数の車種が変動しているのでランキングを掲載した。

では、なぜこれらの中古車が高騰しているのか?いつまで続くのか?詳しく解説していく。

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中古車価格高騰の2022年、なぜこうなった!その原因とは?

様々な要因が重なり中古車のみならず、あらゆる分野で急激なインフレが起こり、供給がひっ迫している。2021年初めまでは中古車全体の価格も落ち着ていたが2022年になり、急激に中古車価格が高騰してきた。

その理由として挙げられるのが、

  • 半導体不足による影響
  • 急激な円安による影響
  • コロナ禍による影響

これらについて詳しく解説していこう

半導体不足による影響

2019年末、新型コロナの影響により、パンデミック(世界的大流行)となり、外出制限ならびに都市ロックダウンなどの著しい影響により、半導体製造の減産もしくは製造の停止で半導体全体が減少した。

また、サプライチェーン(供給連鎖)の分断もしくは崩壊により、あらゆる企業が減産や停止などを余儀なくされたため、未だ負のスパイラルを断ち切れず、あらゆるものが供給できず、自動車関連部品や自動車の生産自体も追いついていないからである。

なぜ、半導体不足が解消されないのか?

世界中の人々が巣ごもりやテレワーク等により、家電製品の購入、公共交通機関の使用自粛のために自転車やオートバイ、自動車の購入が増え、それらの部品製造や組立製造に必要な半導体の需要増により需要と供給のバランスが崩れ、現在も半導体の需要は高まる一方で供給側が追い付かずにいるからである。

パンデミックが起きる前の2018年後半あたりから半導体は米中貿易摩擦を皮切りに世界経済の先行き不透明感が現れた。さらに米国が中国への規制を強化したため、中国からの半導体輸出量は大幅に減少した。それに伴い、供給不足緩和のため、代替先の台湾から調達したが受注に対応しきれなくなっていった。

更に市場の影響力がある、電子機器など(スマートフォンやパソコンなど)が需要低下となり「WSTS 2019年秋季半導体市場予測の結果」で前年比12%減(世界半導体市場統計(WSTS)による)となり、さらには2019年末に新型コロナがぼっ発、半導体製造メーカーは成り行きを見守ることにした。

しかし、2020年の中盤あたりから巣ごもりやテレワーク等により需要が高まったものの、半導体メーカーは「需要は限定的」と捉え、すぐには半導体の増産をしなかった。

その後、半導体のひっ迫により増産を開始したが半導体の製造には半年以上の期間もかかることから供給が追い付かず、サプライチェーンの分断もしくは崩壊により供給不足が今なお続いている。

さらに各半導体製造工場では最先端の半導体製造にシフトしていたため、家電や自動車などの汎用性のある半導体製造が減少しているため供給不足の要因の一つでもあるとも言われている。

出典:世界半導体市場統計(WSTS)

半導体需要割合について

2021年、SIA(SEMICONDUCTOR INDUSTRY ASSOCIATION)Factbook(ファクトブック:数的根拠や事実を元に情報をまとめた資料 )によると「2020年、全世界半導体市場:4,400億ドル最終用途別の半導体需要の割合」は

・PC/コンピュータ 32.3.%
・スマートフォン 31.2%
・工業用 12.0%
・消費者(家電製品等) 12.0%
・自動車 11.4%
・政府 1.0%

などとなっており、全世界の半導体市場をみるとコンピュータおよびスマートフォン関連は63.5%と過半数を占めており、自動車に使用される半導体は、わずか11.4%に過ぎないことがわかった。

急激な円安による影響

急激な円安の進行により、物価コストが上昇し、家計のみならず企業もランニングコスト増となってきている。従来の考え方であれば、円安は経済においてメリットとデメリットを併せ持つが「円安は輸出を促す」=〈企業の業績上昇➡賃金上昇➡消費上昇➡〉として日本経済にとって善としてきた。

しかし、最近の急激な円安は資源などの輸入価格上昇のみにとどまっており、企業全体の業績上昇には繋がっておらず、賃金の底上げや景気回復に至らないコストプッシュ型のインフレ(原材料費などのコストの上昇が原因で発生するインフレ(物価高)のこと)として懸念されている。

そもそも、賃金の底上げや景気回復に繋がるとされていた円安だが近年では国際化が進み、海外に拠点を設けている企業が現地製造販売のため、「円安は輸出を促す」としたメリットは小さいとも言われている。

2022年9月22日の日銀総裁定例記者会見(一部抜粋)において、記者からの質問で

「市場では生鮮食品を除く消費者物価指数の伸び率が年内に3%以上になる可能性があるとの予想もあります。物価上昇が続くことに国民の懸念が強まっている中で、物価は安定していると言えるのでしょうか」

と言う内容に対し、日銀総裁の黒田氏は

「現在の消費者物価の上昇は、2.8%と相当高くなっている。年内は更に上昇する可能性もあるが、来年度以降は、また2%を割る水準まで落ちていくとみている。それはなぜかといえば、現時点ではいわゆる好循環、賃金が上がり物価も安定的に上がっていくというかたちには今はなっていない。このままでは来年もまだならない、再来年もなかなか難しいという状況ですので、現時点で金融政策として経済の回復を支援している」

と言っている。

故に景気回復には時間がかかるのだと思う。ただ、円安になればなるほど、日本の中古車輸出量が増え、中古車業界ならびに付随する業界が活性化するのだが新車の製造不足により中古車自体が増えず、品薄のため中古車が高騰すると言う原因にもなっている。

コロナ禍による影響

2019年末、前代未聞の新型コロナの影響によりパンデミックとなり外出規制を余儀なくされ、一時的に物流が途絶えた。物流の人員不足に伴い、輸出入のコンテナ不足や運賃上昇に伴う輸送費の高騰が進み、今なお続いている。

昨年よりは巣ごもり需要は落ち着つきを戻し、運航遅延・配送遅延も緩和されてはいるが未だ、世界的に輸送量はひっ迫しており、資源エネルギーの高騰により更なる海上運賃の高騰にもなっている。

先に述べた半導体不足の影響もありサプライチェーンの分断もしくは崩壊により、自動車メーカーも平常時のような新車生産ができず、流通不足となっている。また、新車への乗り換えが減少したたため、中古車自体も在庫不足になり、カーオークションなどでは高額取引となっている。

車種によるが通常、新車の納期はおよそ2~6か月程度であるが現時点では1~4年先もしくは受注中止となっている。さらに一部の人気車種やランドクルーザーなどは入手困難のため新車価格より中古車の方が高額化している逆転現象が起きている。

自動車業界の異変とその理由がニュースで話題に!

専門家も交え、わかりやすく解説されているので参考にしていただきたい。

中古車高騰車種別ランキング

最近のコストプッシュ型のインフレにより、賃金が上がらないまま物価の高騰が進んでいる。それにより中古車も高騰してきている。

では、どの中古車が高騰しているのか?逆に下落しているのはどれか?参考に見て欲しい。

中古車高騰ランキングー2023年1月ー

順位車種モデル変動価格変動率
1トヨタ クラウン170系+306,58043.06%
2スバル フォレスターSG系+261,21039.37%
3フォルクスワーゲン シャラン7N+523,61926.52%
4日産 シーマF50系+163,67226.46%
5スバル レガシィB4BE系+195,21324.23%
6日産 スカイラインV35系+131,83219.77%
7フォルクスワーゲン パサートB8+489,39919.42%
8日産 NV200バネットワゴンM20系+286,86819.42%
9トヨタ セルシオ30系+152,62417.39%
10トヨタ カローラクロス10系+487,18617.20%
11トヨタ セリカ230系+123,16816.76%
12三菱 ギャランフォルティスCY系+123,32715.82%
13トヨタ プレミオ260系+156,74815.60%
14トヨタ センチュリー50系+265,49715.58%
15ホンダ シビックFK7,8系+445,55015.48%
16スバル インプレッサWRX_GD系+277,07615.36%
17トヨタ クラウンエステート170系+114,04414.48%
18日産 エクストレイルT30系+114,04413.77%
19トヨタ ウィッシュ20系+93,08112.69%
20三菱 デリカD:5CV系+306,85512.65%
出典:PROTO総研

中古車下落ランキングー2023年1月ー

順位車種モデル変動価格変動率
クライスラー・ジープ ジープ・コンパスMK-294,831-19.66%
2アウディ A4アバント8K-194,431-16.74%
3トロエン DS32010年3月-108,536-15.87%
4スマート スマートフォーフォーC453-240,439-15.75%
5プジョー 308T7-118,140-14.99%
6メルセデスベンツ GLBX247-1,077,578-14.63%
7ボルボ V40MB-232,944-14.48%
8プジョー 308T7-118,170-13.86%
9MINI MINIR60-190,961-13.86%
10ルノー ルーテシアR5-178,778-13.62%
11プジョー RCZRCZ-233,966-12.79%
12日産 リーフZEO系-118,023-12.79%
13スバル レガシィアウトバックBR系-108,095-12.61%
14クライスラージープ ジープ・チェロキーKL-402,453-12.29%
15メルセデスベンツ SLKR172-303,641-12.61%
16ボルボ S60FB,FD-132,618-11.76%
17MINI MINIR55-106,899-11.48%
18フォルクスワーゲン ザ・ビートル16C-198,253-10.97%
19マツダ アテンザワゴンGJ系-149,734-10.97%
20アウディ A38P-61,882-10.24%
出典:PROTO総研

中古車の買取価格が高騰

中古車市場において、品薄状態が続いているの購入価格だけではなく、買取価格も高騰している。
乗り換えや売却を検討している方はMOTAの車買取で高額査定を試してみるのはどうだろうか?
ちなみに2023年2月13日現在の買取価格相場実績ランキングは以下の通りだ。

順位車種一般査定相場(万円)MOTA査定相場(万円)差額(万円)
1トヨタ アルファード287.1~619.3~1,250630.7
2トヨタ プリウス180.2~263.3~450186.7
3トヨタ ハリアー212.9~359.9~660300.1
4トヨタ ランドクルーザープラド294.9~450.7~672221.3
5トヨタ ヴォクシー231.2~343.7~520176.3
6ホンダ N-BOX94.9~160.2~228.968.7
7トヨタ ヴェルファイア231.9~487.9~750262.1
8日産 セレナ182.9~291.8~378.987.1
9マツダ CX-5196.2~265.9~450184.1
10ダイハツ タント87.9~145.4~213.868.4
出典:MOTA

S660の中古車が高騰している理由

出典:Wikimedia Honda S660 CC0

ホンダS660をご存じだろうか?この車は2015年4月に販売され、2022年3月に生産を終了した2ドアオープンのミッドシップ車である。

なぜ、S660が高騰しているのかと言えば、今後の希少性が高くなると予測できるからである。

ホンダは今後、EVやFCVなどにシフトしていくため、S660のような内燃機関車両が出てこない可能があり、それに伴いS660が高騰し始めているからである。

更に2ドアオープンでミッドシップとなれば大人心をくすぐる一台ではないだろうか?エンジンはN-BOXでも使用されているS07A型ターボエンジンをベースに改良したS660専用の直列3気筒DOHCターボエンジンで最高出力47kW (64PS)/6,000rpm・最大トルク104N・m (10.6kgf・m)/2,600rpmとなる。

ボディはフロントフード内に収納できる脱着式のロールトップである。

また、オープンカー特有の寒暖に対応するべく、腿・腰・腹部周辺へ集中的に送風するミッドモード付フルオート・エアコンディショナーと2段階調節可能なシートヒーター(タイプ別設定)を設定。

また、軽自動車ながらも6速MTの設定もあり、CVTと2タイプを選択できる。更にCVTには走行モード変更可能なSPORTスイッチと7速パドルシフト付きである。

タイプ6MT小売価格(円)CVT小売価格(円)
β2,031,7002,031,700
α2,321,0002,321,000
S660 Modulo X3,042,6003,042,600
S660 Modulo X特別仕様車〈バージョンZ〉3,150,400

2023年2月13日現在、S660中古車相場

◆最高車両本体価格 499.9万円
660 MUGEN RAアルファ GT100R(ホワイトパール)6MT
年式:2015年 走行距離1.0万km 修復歴:なし

◆最安車両本体価格 99.0万円
660 ベータ ターボ 社外AW (グレー)6MT
年式:2018年 走行距離9.3万km 修復歴:なし

・2019年12月~2022年3月生産終了モデル
中古車平均価格294.5万円

・2019年10月~2019年11月生産モデル
中古車平均価格261.3万円

・2018年5月~2019年9月生産モデル
中古車平均価格236.0万円

・2015年4月~2018年4月生産モデル
中古車平均価格225.1万円

出典:カーセンサー.net

中古車の高騰いつまで続くのか?まとめ

2022年10月現在、今後1年~2年は中古車の高騰が続くのではないかと思う。ただ、それには「ロシアによるウクライナ侵攻」「新型コロナの鎮静化」「日本を含む世界経済の情勢」によって、良くも悪くも変化するだろう。そして何よりも半導体不足の解消およびサプライチェーンの回復がカギである。

カーショップは主に専門のオートオークションや業販より仕入れを行い、整備してお客様に販売をする。

現在のような中古車不足の中、仕入値および整備部品の高騰により、中古車全体が高額化しており、安定した新車の流通が平常にならないうちは中古車価格の高騰は収まらないだろう。

また高騰がおさまらない現況では、我々中古車ディーラーは仕入れの面では完全な向かい風となっている。しかしこの向かい風は車を所有するユーザーには大きなチャンスであるのは間違いない。

相場は必ずいつか崩れるので、今のうちに自分の車の価値だけでも調べることをおすすめしたい。

何人かのお客様も「どうせ自分の車は値段つかないよ」と言っていたが、渋々査定を受けた結果、予想外の値段に喜んでいた方も何人も見てきた。「予想以上の車に乗り換えられた」「車以外のものを購入した」「マイホームの頭金にした」など思わぬ展開があるかもしれない。繰り返しになるが値崩れする前に、自分の車の価値を調べるのが良いだろう。

〈追記(2023年2月17日)〉

2022年10月頃、「今後1年~2年は中古車の高騰が続くのではないかと思う」と予測はしたが今月のオートオークションの状況を見ると高騰が落ち着いてきており、一部の車種では少々下落しているようにも伺えた。

この辺で一度自分の車の価値も調べておくのも良いかも知れない。

半導体の方も僅かだが流通し始めているものの、燃料費高騰や物価高、輸送船の不足により状況が安定しておらず中古車不足の解消にはまだ、時間がかかると思うがもしかしたら2年もかからずに中古車相場も安定するのではないだろうか。

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